がん治療のフロンティア – BNCT、知られざる歴史

BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は、1960年代から研究が始まった、非常に長い歴史を持つ治療法です。特に日本では、京都大学を中心に数多くの臨床研究が行われ、その効果が確認されてきました。

黎明期から臨床研究へ

BNCTの研究は1930年代にアメリカで提唱されましたが、技術的な課題が多く、実用化には至りませんでした。その後、日本がBNCT研究を引き継ぎ、京都大学を中心に研究が進められることとなりました。

1960年代には、マウスを使った実験でBNCTの有効性が確認され、臨床研究が開始されました。しかし当時は中性子を発生するための原子炉が大型で、
限られた施設でしか治療を行うことができませんでした。

加速器の登場と普及への期待

近年、原子炉の代わりに加速器という装置を使って中性子を生作る方法が開発されました。加速器は、原子炉よりもコンパクトで、病院に設置することも可能です。

しかし、加速器は高価な装置であり、設置には多大な費用がかかります。そのため、まだ全ての病院でBNCTを受けられるわけではありません。
加速器の開発が進むにつれて、BNCT治療を受けられる施設が増えていくでしょう。

BNCT治療を、手の届く医療に – 小型加速器開発に成功

BNCT治療には、非常に大きな加速器が必要として、中性子を発生するために、非常に高い電圧で粒子を加速させる必要があることです。

そのため装置が大きく、設置場所も限られていました。

しかし、弊社は小型の加速器で中性子を発生させることができる、新しい装置の開発に成功しました。今後はこの技術をさらに進化させ、BNCTはより身近な治療法として